水素は関節リウマチなどに対する新しい抗酸化・抗炎症療法である

水素は関節リウマチなどに対する新しい抗酸化・抗炎症療法である
表 題水素は関節リウマチとそれに付随する病気に対する 新しい抗酸化・抗炎症療法である
著 者北海道大学 リウマチ整形外科
概 要

関節リウマチは進行性の関節破壊を伴う慢性炎症病です。またリウマチはアテローム性動脈硬化のリスク上昇にも関連し、循環器病もたらし、場合によっては死を招きます。

リウマチの治療ターゲットは全身の炎症をコントロールすることです。それにより症状が落ち着いたり、全身の健康状態が改善したりします。しかしながら炎症性サイトカインを標的にした免疫抑制療法は、関節リウマチの予後に関わる劇的な変化を引き起すとともに、副作用ももたらします。また、リウマチの早期診断がいまだに難しく、慎重をきすのが現状です。

なお、リウマチ発症の原因メカニズムは明らかにされていないものの、活性酸素種(ROS)はリウマチ発症に深くかかわっており、主な炎症反応であるNF-kBやTNFαシグナル反応経路の上流や下流で中心的役割を果たしています。そして活性酸素種の中でもヒドロキシラジカルは最も有害で、水素はヒドロキシラジカルを選択的に消去することができます。

近年、水素がリウマチ患者の酸化ストレスを減らすため、従来療法と併用して投与されると非常に有効であると報告されています。特に早期の段階では水素は治療に著しく有益であることが期待され、リウマチの診断や治療方法の決定をしやすくします。

ここでは、酸化ストレスと炎症を減少させる水素の有益性に関する可能性が討論されています。加えて、関節リウマチとそれに付随するアテローム性動脈硬化の治療応用(予防)への妥当性についても述べられています。

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