水素サプリメントの細菌に対する抗菌作用

水素サプリメントの細菌に対する抗菌作用
2012年 株式会社統合医療推進機構が開催したアカデミックシンポジウムにて、『細菌に対する水素サプリメントの驚くべき抗菌作用』についての内容です。
水素は点滴や注射、人工透析などの幅広い場で感染症治療として臨床応用できる可能性を秘め、理想的な抗菌薬といえる。

抗生物質に頼らない感染症治療を「水素」が果たすかもしれない

那須美行先生は、細菌に対する水素サプリメントの驚くべき抗菌作用について、細かい数字のデータを示しながら、お話を進められました。以下はその要約です。

1928 年、イギリスの細菌学者フレミングが、青カビからペニシリンを発見しました。
「抗生物質の時代の幕開け」を告げるこの 発見以来、160 種類を超える抗菌薬が開発され、私たちは多大な恩恵を享受してきました。 しかし、21 世紀は薬剤耐性菌の時代となり、私たちはこれまでにない危機的状況に直面しています。

そこで、水素の殺菌作用の有無について、サプリメントを使った実験を行いました。材料は水素サプリメントの水素発生食品 (以下製品)P、Z、Eで、対象菌株として食中毒菌や薬剤耐性菌、標準菌株、陽性桿菌を使用しました。

食中毒菌での実験結果をみてみましょう。
製品Pを入れた菌液では、大腸菌O157、赤痢菌など、いずれも、たった 2 分で死滅したのです。
製品Zでも、10 分後にはかなりの抗菌効果が表れ、15 分後にはほとんど殺菌されています。
また、薬剤耐性菌についても、製品Pと製品Zでは、15 分でかなりの殺菌効果がみられ、30 分では菌はすべて死滅するという結果が出ました。

標準菌株の場合は、製品Pのみを使用し、製品Pの量を増やすと、20 分でほとんどの菌を死滅させ、50 分 の経過ですべてを殺菌するにいたりました。

このように優れた抗菌作用を持つ水素ですが、菌体を破壊することで細菌を死滅させると考えられており、そのために薬剤耐性菌を発生させることがありません。

さらに水素は、細胞壁を持たない人間の細胞は破壊せず、人体には無害で細菌だけを 選択して攻撃するという選択毒性の性質を持っています。 この優れた性質のため、水素は点滴や注射、人工透析などの幅広い場で感染症治療として臨床応用できる可能性を秘め、 理想的な抗菌薬といえるのです。

感染症を抗生物質で制圧するのではなく、抗生物質に頼らない感染症治療の実現を近い将 来「水素」がその役割を果たす時が訪れることでしょう。

那須 美行 【 認定臨床微生物検査技師 】

1974 年臨床検査技師国家資格取得。二級臨床病理技術士(微生物学・寄生虫学)。認定臨床微生物検査技師。感染 制御認定臨床微生物検査技師(ICMT)取得。1974 年北里衛生科学専門学院卒業。同年、八戸市立市民病院臨床検 査科勤務。 2007 年公立野辺地病院臨床検査科技師長 38 年間病院勤務し主に微生物学・寄生虫学検査分野を担当。代表論 文は、「日本感染症学会雑誌 脳梗塞症治療中に発症した Paenibacillus polymyxa 菌血症の1例(本邦初症例)」。 「東北医学検査学会奨励賞」「全国自治体病院協議会研究論文顕彰」「青森県医学検査学会及び日本医学検査学会 精励功労賞」を受賞。

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