いつかは気になりだす生活習慣病とは

いつかは気になりだす生活習慣病とは

10代や20代の頃に全くと言っていいほど、気にならなかった体と健康のこと。
多くの人は、「病気は俺はならない」「なってから考えよう」「私に限ってそんなこと」・・・など少し楽観的な時期を過ごした人も多いはず。
しかし、時が経ち、30歳を過ぎたころになると、「健康診断が悪かった」「風邪を引きやすくなった」「疲れが抜けずに、目覚めが悪い」「糖尿病が・・・」など飲み会の席などでは健康の話が多くなります。
この健康は、生活習慣が関係することが多く、仕事の多忙さ、運動する時間がない、飲み会が多いなどいろいろな要因があります。
そういった「生活習慣」(食事・運動・喫煙や飲酒・睡眠など)の乱れにより発症進展する病気のことを、生活習慣病といい具体的には、糖尿病・高血圧症・脂質異常症・肥満・高尿酸血症・脂肪肝などが挙げられます。

生活習慣病とは

多くの生活習慣病は、初期段階では自覚症状がないので放置されることが多く、知らないうちに徐々に動脈硬化が進展してしまい、いずれは、脳梗塞・脳出血・狭心症・心筋梗塞・腎不全といった、命にかかわる大きな病気を引き起こします。

この生活習慣病は、遺伝因子(体質)と、生活習慣の関与により、発症・進展します。
大昔は現代と異なり、自然環境が厳しく飢餓が多かったので、食べた栄養素を体内にため込むシステムがあり、また当時は塩分が大変に貴重だったので、腎臓で塩分を再吸収してため込むシステムもできました。
さらに電灯などの灯りも不十分で夜は暗かったので、昼間に充分に活動して食事もとり、夜は早く寝て、寝ている間に栄養を備蓄するシステムや生活パターンができました。
これらのシステムが、遺伝的な体質として、私達の体には引き継がれています。

しかし、文明の進歩により、現代社会の生活習慣は昔の生活環境とは大きく異なってきました。
食べるものに困らない時代で食物や塩分は豊富にあり、ジャンクフードのような過度にカロリーの高い食物を24時間いつも食べられます。
それでいて、交通手段も便利になり、運動しなくなりました。
そして夜は照明があるので遅くまで仕事をするようになり、睡眠のリズムに乱れが生じてきました。そして、夜遅くにも容易に食事ができるようにもなり、寝る前に便利なジャンクフードも食べられます。

栄養素や塩分を体内にため込もうとする体質を受け継いだ現代人が、飽食・塩分過多・運動不足・夜型生活の時代で生活し始めたら、体がどうなっていくかは・・・みなさんのご想像の通りです。 
現代人はなるべくして糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病になっているようなもの。
逆に言うと現代社会では、しっかりと意識していないと、簡単に肥満や生活習慣病になってしまう危険性が高いのです。

代表的な生活習慣病

生活習慣病の「代表格」である糖尿病者の数は、わが国では890万人と推計されています。予備軍を含めると2,210万人ともいわれています。
また、高血圧、脂質異常症といった疾患を有する人々の数は、それぞれ3,970万人、4,220万人と推定されます。中高年の多くの方が何らかの生活習慣病をもっていて、それが将来重大な健康障害になる可能性があります。


引用 https://dm-rg.net/news/2019/03/020044.html

糖尿病
主に肥満によりインスリンが働かなくなることで血液中の糖の濃度が高くなる病気で、生活習慣病の中でも最も多いのがこの糖尿病です。
適切な治療を受けないと、脳梗塞・心筋梗塞・網膜症・腎症・神経障害などの合併症を引き起こし、最悪の場合、失明したり足の指を切断しなければならなくなったりしてしまいます。

脂質異常症
肥満、運動不足、喫煙等により、動脈硬化を促進する悪玉コレステロール(LDL)や中性脂肪が多過ぎる状態、もしくは動脈硬化を改善する善玉コレステロール(HDL)が少な過ぎる状態を、脂質異常症と言います。
脂質異常症は全身の血管の動脈硬化に繋がるため、心臓病や脳卒中の発症リスクが増えますので危険です。また、狭心症・心筋梗塞、糖尿病、高血圧を合併している方は、より厳格な脂質異常症のコントロールが必要となります。

高血圧症
「最高血圧が140mmHg以上」もしくは「最低血圧が90mmHg」の方が高血圧症です。
過食・肥満・運動不足・塩分の摂りすぎなどによって血圧が高くなると、心臓に負担がかかるようになり、血圧が高い状態が続くと動脈硬化も進みます。高血圧症を放置すると心臓病や脳卒中の発症リスクが急増しますので、血圧の的確なコントロールは大変に重要です。また、高血圧に脂質異常症や糖尿病が加わるとリスクが増えますので、注意が必要です。

高尿酸血症
高尿酸血症は中高年の男性に多い病気です。食事やアルコールから多量のプリン体を摂取すると血中の尿酸値が上昇し、これが関節に溜まると痛風になります。
高尿酸血症の患者さんは、高血圧、肥満、脂質異常症を高率にともなうため、高尿酸血症も生活習慣病の一員と認識されています。

脂肪性肝炎(NASH)
NASHとは、肝臓に余分な脂肪が蓄積して機能が低下した状態です。日本のNASH人口は急増しており、多くは高率に糖尿病や脂質異常症を合併しています。
NASHの10~30%は肝硬変に進展し、そのうちの10%は肝細胞がんを発症することが明らかにされ、危険な病気として注目されています。

普段の生活習慣の乱れが上記のような生活習慣病を起こしてしまう原因となります。
そして、この生活習慣病に大きく関りがあるのが、酸化ストレスつまり活性酸素の増大です。

生活習慣病にならないために

生活習慣病と診断・治療されている方の数は、年々右肩上がりで増加中です。生活習慣病や予備群の方々をできるだけ早期に発見して、いかに早くコントロールした状態を保っていくかが、最大の目標になります。
そのためには、生活習慣の見直しが必要となります。

こんな方は生活習慣病に要注意
以下に当てはまる方は生活習慣病のリスクが高いので、早めの対策を。

  • 健康診断で、要注意、要経過観察と指摘された項目があった
  • 運動する習慣がない
  • 歩くより車を使うことが多い
  • 20歳のときと比べて、体重が10kg以上増加した
  • 暴飲暴食をしている
  • お酒を飲む頻度や量が多い
  • タバコを吸っている
  • パソコンやスマホなど電磁機器を触る機会が多い
  • 十分な睡眠時間を確保できていない
  • 原因不明の身体の不調を感じることがある
  • 仕事が忙しく、心身共に負担をかけている
  • 脂っこいものが好き
  • ストレスが溜まっている
  • 味の濃いものが好き
  • 深夜の時間帯によく食事する
  • 食べるのが早い
  • 寝る前に食べる癖がある
  • ファストフード、レトルト食品をよく食べる
  • ジュースや清涼飲料水をよく飲む
  • 糖分が多い甘いものが好き
  • 間食が多い

上記の項目に多くあてはまる人は、それだけ体に負荷=ストレスを与えているとことになります。このストレスが、活性酸素を増大させ、生活習慣病につながっていきます。
本来、私たちの体には、活性酸素から身を守るため、抗酸化酵素などによる防御システムが備わっています。ところが中高年になるにつれて防御力が弱まり、反対に活性酸素の働きが強まって、体のあちらこちらに害(酸化)が及んできます。風邪をひきやすくなった、肌荒れやしみが目立つ、疲れがとれないといった症状がみられたら、要注意です。
活性酸素を減らす生活術を、心がけましょう。

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